山形大の開発拠点、飯豊電池研究所に承継へ 米沢の蓄電デバイス施設

飯豊電池研究所に事業承継される見通しとなった山形大蓄電デバイス開発研究センター=米沢市

 米沢市は24日、米沢オフィス・アルカディアにある「山形大蓄電デバイス開発研究センター」が同大発ベンチャーの飯豊電池研究所(飯豊町、小野寺大輔社長)に事業承継される見通しであることを明らかにした。センターはリチウムイオン電池の主要部材の研究開発拠点で、事業承継は国内外の電池メーカーなどとの試作や開発を加速させるためという。

 市が市議会総務文教常任委員会協議会で、市の所有するセンターの用地を同社に譲渡する方針を示した。譲渡額は6573万8千円。市議会9月定例会に関連議案を提出し、11月上旬の譲渡を予定している。建物と設備は、大学が同社に無償譲渡する方向で検討している。

 研究開発している主要部材のセパレーターは、リチウムイオン電池の正極と負極を隔て、安全性を高める部材。同社は今後、国内外の大手を含む電池メーカーや材料メーカーと連携し、低コスト化や高機能化などを進めていく。

 センターはセパレーターの大型の試作工場で、2014年、山形大が経済産業省の補助を受けて整備した。土地は当時の所有者から市が買い取り、大学に無償貸与してきた。

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