【リニア】JR東海 “生態系に影響が出た場合の代償措置”に初めて言及 国の有識者会議 静岡・森副知事「代償措置より保全前提に対策を」

リニア新幹線の工事に伴う南アルプスの環境への影響を議論する、国の有識者会議が開かれました。その中でJR東海は、生態系に影響が出た場合の代償措置について、初めて言及しました。

JR東海は、リニア新幹線のトンネル工事により南アルプスの地下水が低下する予測を示していて、県は絶滅の恐れがある動植物への影響を懸念しています。国が設置した有識者会議では「水辺の生物」や「高山植物」に与える影響など、3つの論点について議論が続けられています。

26日の会議でJR東海は、水辺の生物への影響を確認するために実施する「沢のモニタリング方法」や、影響を回避、低減するために行う薬液注入などの「環境保全措置」について説明しました。

また、措置を講じても生態系に影響が出てしまった場合、その代償としてトンネル湧水を利用し、新たな生態系を創出する案などが示されました。有識者会議で代償措置について言及したのは初めてのことになります。

オブザーバーとして会議に参加した森副知事は・・・

(森副知事)

「県の立場としては代償措置というより、保全を前提として対策を講じていただきたい」「代償措置ありきで進行することについては、否定的な考え方」

またトンネル工事で出る土の置き場について、JR東海から具体的な立地や設計などについて説明がありました。これに対し、委員からは安全性や立地場所の選定の仕方などについて、質問や意見が相次ぎました。

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