全国高校野球茨城大会決勝 声出し応援、両校白熱

九回表、逆転となる4点目が入り、歓喜する土浦日大高スタンド=ノーブルホームスタジアム水戸

ノーブルホームスタジアム水戸で26日に行われた第105回全国高校野球選手権記念茨城大会の決勝。4年ぶりに声出し応援が可能となったスタンドには、土浦日大高と霞ケ浦高の大応援団が集結。両校の意地がぶつかり合う白熱した試合展開に、応援団は懸命な声援で選手たちを後押しした。

■土浦日大、逆転勝利 スタンド歓喜 「甲子園でも一戦一勝」

三塁側スタンドと外野席に陣取った土浦日大高は、生徒と保護者ら計約1700人が集合。試合開始直後からメガホンをたたき、「いけー」と声を張り上げた。同校2年で応援部長の橋場まりあさん(16)は「甲子園まであと一歩。全力で頑張って」と声をからした。

試合は三回裏に3点を先制される苦しい展開。連投する先発の藤本士生投手(3年)の父、謙一さん(49)は「何とか頑張っている。力を尽くしてもらいたい」と愛息の力投を見守った。

この日の水戸市内は気温35度を超える猛暑日だったが、応援団は暑さを吹き飛ばすように逆転勝利を願うエールを送り続けた。

スタンドの願いが通じたのは最終回。九回表に打線が爆発して一挙5得点で試合をひっくり返すと、歓声の大きさも最高潮に達し、ナインの活躍をたたえた。

同裏に継投した伊藤彩斗投手(3年)が相手打線を三者凡退に抑え、5年ぶりの優勝が決まった瞬間、応援団は歓喜に包まれた。

野球部父母会長で伊藤投手の父、久雄さん(52)は「勝利を信じていた。甲子園でも一戦一勝で頑張ってほしい」と笑顔を見せた。

■元気と希望与えて

 安藤真理子土浦市長の話 第100回大会以来5回目となる全国高校野球選手権大会への出場、誠におめでとうございます。甲子園で深紅の大優勝旗を目指して、土浦日大らしいはつらつとしたプレーを存分に発揮し、地元土浦に元気と希望を与えていただきたい。

■霞ケ浦「みんな頑張った」 勝利信じて声からす 

4年ぶりの決勝に臨んだ霞ケ浦高。600人近い生徒が一塁側スタンドに駆け付け、最後まで応援に声をからした。

「全員で甲子園に行こう」。応援団長の3年、鷺野谷雄人さん(17)が試合開始直前に第一声を放つと、スタンドは活気づいた。

三回に3得点を挙げて先制。生徒たちは「やったー」と歓声を上げ、吹奏楽部も新曲を織り交ぜて選手を鼓舞。同部長の3年、橘川美波さん(17)は「演奏が好プレーにつながれば」と汗を拭った。

試合は最終回にまさかの逆転を許して敗戦。生徒たちは涙で頬をぬらし、悔しさをかみしめながら閉会式を見守った。

保護者会長で、エース右腕・木村優人投手(3年)の父、信彦さんは「選手たちを信じて落ち着いて見ていた。みんな頑張った」と選手をねぎらった。

敗退が決まり、崩れ落ちる霞ケ浦高の生徒たち=ノーブルホームスタジアム水戸

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