全国高校野球茨城大会 優勝の土浦日大・小菅監督 「木内野球」引き継ぐ

霞ケ浦―土浦日大 5年ぶり5度目の優勝を果たし、土浦日大主将の塚原(2)と抱き合う小菅監督=ノーブルホーム水戸

第105回全国高校野球選手権記念茨城大会は26日、水戸市見川町のノーブルホーム水戸で決勝が行われ、土浦日大が5-3で霞ケ浦に逆転勝ちし、5年ぶり5度目の夏の甲子園出場を決めた。

「木内監督なら『このゲーム、勝ったんだか負けたんだか分かんね』と言ったと思う」。最終回に3点差をひっくり返す劇的な優勝で甲子園の切符をつかみ取った土浦日大の小菅勲監督(56)はそう言って喜びをかみしめた。

取手二、常総学院で春夏通算3度の全国制覇を果たした木内幸男さんが2020年11月に亡くなった後、教え子が率いるチームの夏の甲子園出場は今回が初めてとなる。小菅監督は取手二の優勝メンバー。「一試合一試合、選手には必ず学びがある」と語った木内監督と重ね、決勝の逆転劇を「しつこくゲームセットまで諦めないこと(の大切さ)を学んだ」とうなずいた。

準決勝でも2点差を逆転し、勝ち上がった。その際は「接戦の中で自分たちのプレーをし続けた。落ち込むことなく平常心で戦い抜けたことが学び」。試合を重ねるごとに、競り勝つ力を選手たちは身に付けてきた。

チームは今季、「共同主将制」を取ってきた。主将マークを左袖に付けた塚原歩生真(3年)は、太刀川幸輝(同)と力を合わせる。「分析力が高い太刀川と根性論の塚原。ちょうど2人でバランスが取れている」と指揮官は冗談交じりに笑う。

試合前や試合中、選手の意見を受け入れる小菅監督。柔軟な指揮が強さの秘訣(ひけつ)だ。

これまでも甲子園は目指してきた。出場するだけでなく「(甲子園での勝利を)意識しながら練習したチームは、私の監督人生で初めて」とチーム力に自信をのぞかせる。全国でも一戦ずつ学びを得ながら強くなる「木内野球」を引き継ぐ。

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