河井夫妻の大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、元広島市議会議員は無罪を主張したうえで、検察の不適切な取調べがあったとして、裁判を取り止めるよう求めました。
起訴状によりますと、元広島市議会議員の 木戸経康 被告は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫・河井克行 元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。
27日の初公判で木戸被告は、「封筒を受け取った当時は現金を受領した認識はなく、買収報酬の認識もない」などと無罪を主張しました。
検察側は、冒頭陳述で、「案里氏の選挙の際に自身の事務所に案里氏のポスターを貼り、個人演説会にも出席した」と指摘しました。
一方、弁護側は、「検察の取り調べは不起訴をにおわせながら供述を誘導していて、公訴権の乱用として棄却すべきだ」と、裁判の取りやめを求めました。
木戸被告の弁護人は、初公判を前に、検察官が取り調べの際、不起訴を示唆して供述を誘導するかのような録音データがあることを明らかにしていました。
田上剛 弁護士
「供述調書の取り方が違法なんじゃないかなどという問題が全部含まれている。公訴権乱用論のいろんな総合的なものが詰まっているんじゃないかなと」
木戸被告側は、今後の裁判で取り調べを担当した検事の証人尋問を求めました。
