旅客機製造の廃材加工したオリジナルグッズ即完売 川重とANAがタッグ、キーホルダーやパスケース再販売へ

機体やエンジンを背にした、商品開発に携わった川崎重工業やANAホールディングスの社員ら=羽田空港(川崎重工業提供)

 米ボーイングの旅客機用部品を製造する川崎重工業(神戸市中央区)は、航空大手ANAホールディングス(東京)とともに航空機の廃材などを加工したキーホルダーなどのオリジナルグッズを開発した。今月20日、数量限定で発売したところ、1日足らずでほぼ完売。反響を受け、今秋に数量を増やして再販売することを決めた。川重は「廃材活用だけでなく、コロナ禍で打撃を受けた航空産業全体の活性化に役立てば」としている。(石川 翠)

 廃棄物などを加工して付加価値の高い商品に変える「アップサイクル」と呼ばれる活動の一環。川重が同活動に取り組むのは初めてで、ANAからの打診に応じる形で実現した。

 川重は、胴体などの製造過程で出る端材などを提供。従来、金属回収業者などに販売していたという。それらを航空関連部品の製造が盛んな中部地方の複数のメーカーで加工した。

 グッズは、エンジンブレードの廃材を使ったキーホルダー(9900円)や、胴体の端材を加工したパスケース(1万千円)、名刺入れ(1万5400円)など6種を用意。ANAの電子商取引(EC)サイト「ANAモール」で各50個を発売したが、次々に売り切れたという。

 今は、ボーイング767の胴体部の端材を活用したタブレットスタンド(8800円)のみ在庫がある。大阪(伊丹)空港で夜間に撮影した同型機の写真が印刷され、脚部には滑走路をイメージした線や数字が刻まれている。羽田空港バージョンもあったが完売した。

 川重の広報担当者は「国内でも旅客機の部品が造られていることを知ってもらい、地域の活性化につながってほしい」と話している。

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