全国高校総体出場校紹介 卓球男子 実力、実績を備えた明豊が日本一を目指す 【大分県】

6月の県高校総体の卓球男子で圧倒的強さを見せ、団体戦、シングルス、ダブルスの全ての代表権を独占した明豊。続く全九州体育大会でもシングルスで木塚陽斗(3年)が優勝、岡田空(同)が準優勝と好成績を残した。団体戦ではライバルの希望が丘(福岡)に敗れ準優勝となったが、藤本賢司監督が「原因は明白。木塚がジュニアナショナルチーム(JNT)の合宿で抜けている期間があり、ダブルスの練習量が足りなかった」と話すように、全ては想定内であり、照準はあくまで全国高校総体に合わせている。

JNT-U18の一員であるキャプテンの木塚を中心に、強力なバックハンドを武器にしたアグレッシブなプレーが持ち味の岡田、185cmの長身、長いリーチを生かしたプレーで相手を翻弄(ほんろう)する高橋拓己(3年)など、実力・実績を兼ね備えた選手がそろう今のチームに穴はない。自信を持って臨む全国高校総体で狙うのは、もちろん日本一だ。

仕上げの段階となり、プレースタイルに磨きをかける

大会まで1カ月を切った現在、それぞれのプレースタイルの確立、サーブ・レシーブなど台上の小技の練習、団体戦の鍵となるダブルスの強化など、最後の追い込みをしているが、日本一を目指すにはそれだけでは足りない。「卓球はメンタルスポーツ。ちょっとした迷いや恐れがすぐに失点につながる。どんなに技術があっても心が弱くては勝てない」(藤本監督)。迷いや恐れを払拭する「自信」をつけるために、生活面を律し、自己を分析するなど心の鍛錬にも励み、さらに隙のないチームを目指している。

期待されていた春の全国高校選抜大会で結果を残せなかっただけに、選手たち、特に3年生の全国高校総体にかける思いは強い。精神的にも技術的にもチームを支える木塚は、「一試合一試合、接戦になると思うが、そこを勝ちきって勢いをつけたい。試合に出る人も出ない人も関係なく、チーム全員で勝つという気持ちで臨む必要がある」と力強く語る。その思いは、練習から積極的に声を出し、チームを鼓舞しようとする姿勢にも現れている。

強い気持ちで、迷いや恐れを揺るぎない自信に変え、頂点をつかみ取る覚悟だ。

全国高校総体に出場する明豊

(甲斐理恵)

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