古いリンゴ箱でクーラーボックス キープレイス(青森県板柳町)が商品化

古いリンゴ箱を再利用したクーラーボックス(手前)と姥澤さん

 インテリア向けの木箱などを販売する青森県板柳町の「キープレイス」(姥澤匡柳(まさる)代表取締役)が、古くなったリンゴの木箱を再利用したクーラーボックスと建材を商品化させた。それぞれキャンプ用品や内装材として使うことを提案している。「40年程度使われたリンゴ箱は、デッドストックとなったり、廃棄されたりする状態となっている。業界の課題解決のためにも有効利用したいと考えた」と姥澤さんは話す。

 キープレイスは、古くなったリンゴ箱をテーブルや椅子に生まれ変わらせる取り組みなどで、これまでも注目を集めてきた。今回は40~50年程度使われてきた、さらに古いリンゴ箱の利活用に挑戦。試作を重ね、2年がかりでおしゃれな木製クーラーボックスと建材を開発した。

 「又幸(またさち)クーラーボックス」(容量22リットル、重さ約4キロ)は3万2千円(税抜き)。箱の内側は発泡ポリスチレンとなっており、取り外して使うこともできる。建材はフリー材(長さ45センチ、幅6センチ、厚さ0.9センチ)を組み合わせる形で、1平方メートル当たり9千円(税抜き)の価格設定をしている。

 姥澤さんは、古い木の色や、リンゴ箱として使われていた当時の傷、フェルトペンで書かれた跡などが「アートのような独特の風合いを出していて面白い。青森リンゴの歴史を感じられ、何とも言えない味わいがある」とアピールする。

 同社によると、40年程度使われた古いリンゴ箱は、以前は豊作時などにニーズがあったが、現在はコンテナの普及に押され、敬遠される状態にあるという。今回の商品により「無駄な廃棄費用も軽減することができる」としている。

 商品に関する問い合わせは、キープレイス(電話0172-72-1321)へ。

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