こみせ通りに「夏」戻る 黒石ねぷた祭り開幕 4年ぶり通常コース運行 青森県黒石市

大小36台のねぷたが市街地を練り歩き開幕した黒石ねぷた祭り=30日午後8時48分、黒石市中町のこみせ通り

 青森県内の夏祭りシーズン本番を告げる黒石ねぷた祭り(黒石青年会議所主催)が30日、黒石市で開幕した。4年ぶりに通常コースでの運行となった今年は、同市と田舎館村から扇ねぷた34台、人形ねぷた2台の計36台が出陣。城下町の風情が残る中心街を勇壮に練り歩き、夏の夜を彩った。

 合同運行は新型コロナウイルス禍のため2020~21年は中止された。22年は、道幅が比較的狭い中町こみせ通りで観客や祭り関係者が密になる状況を避けるため、2回とも富田通りのコースで行った。

 今年はコロナ前と同様、30日の審査運行を御幸公園から中町こみせ通り、8月2日の表彰運行を御幸公園から黒石駅前のコースで、それぞれ実施。無電柱化、道路美装化されたこみせ通りをねぷたが運行するのは初めて。

 30日は御幸公園で出陣式を行った後、午後7時、花火の合図とともに合同運行がスタート。まだまだ暑さが残る中、参加者たちは汗を光らせながら、にぎやかなはやしに乗せて「ヤーレヤーレヤー」と勇ましい声を響かせた。

 運行途中でねぷたが回転するたび、沿道を埋めた見物客から歓声や拍手が起こり、熱気がさらに増した。同市出身の友人に誘われて初めて見たという仙台市の大嶋信恵さん(64)は「こみせの雰囲気とねぷたが合っている。暑さも気にならないくらい夢中で見入った」と話した。祭りは8月5日まで。

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