柔らかな明かりに華やぐ 芳賀で祇園祭 5年ぶりに提灯の伝統行事

5年ぶりに行われた献灯の儀

 栃木県芳賀町の祖母井(うばがい)神社の夏祭り祇園祭で、伝統行事「千度下げ提灯(ちょうちん)行列」と「献灯の儀」が29日夜、5年ぶりに行われ、柔らかな明かりが祭りを華やかにした。

 提灯行列では、神社へと続く県道を代町の若衆らが12張りのちょうちんを手にスタートした。途中、内町、西町の関係者が合流し、12張りずつ増やしながら、かけ声と共に練り歩いた。

 36張りが神社に着くと、当番である上横町の男性3人が、1人1張りずつ計12回、作法に沿ってみこしがある御仮屋に奉納していった。周囲からは「かっこいいぞ」「胸を張れ」「しっかりやれ」などとあおる声援とヤジが交互に飛び、3人が無事やりきると大きな拍手が湧いた。

 二つの行事は、荒天や新型コロナウイルス禍で中止が続いていた。芳賀東小4年吉永来斗(よしながらいと)君(9)は父親の稲毛田、農業正志(ただし)さん(49)とともに初めて提灯行列を見た。「夜だから明かりが目立ってきれい」と喜んでいた。

 献灯の儀で中央の花形を務めた会社員、阿部慎太郎(あべしんたろう)さん(30)は「伝統ある役割を果たせて光栄。盛り上がってくれてよかったです」と安堵(あんど)した。

5年ぶりに行われた献灯の儀

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