過酷な夏、車両トラブル増に懸念 パンク、バッテリー上がり...JAF栃木支部が注意呼びかけ

大雨で冠水した道路。異物がタイヤに刺さりパンクするケースがあるほか、エンジントラブルのリスクもある=6月下旬、栃木市内

 梅雨明けし夏本番となる中、豪雨や猛暑に伴う車両トラブルの増加が懸念されている。日本自動車連盟(JAF)栃木支部によると、7月の荒天時と6月の平常時の各3日間で県内のJAFへの依頼別作業件数を比較したところ、「パンク」と「バッテリー上がり」がいずれも20件近く増加した。雨天時に路面上の異物を踏んでしまうことや、暑さに伴う積極的なエアコン使用などが要因の一つとみられる。夏休みなどで車での移動が増えるだけに、同支部はマイカー利用時の注意を呼びかけている。

 JAFの協力で、県内全域の最高気温が30度未満で、ほぼ降水がなかった6月19~21日の3日間と、佐野や宇都宮など4市で3日連続の猛暑日となり、県内各地で大雨が降った7月10~12日の3日間で、JAFの作業件数を比較した。

 バッテリー上がりが6月の3日間は73件だったが、7月は91件に増加。パンクが6月の53件に対し、7月は72件だった。「キー閉じ込み」「落輪・乗り上げ・(砂地などに車がはまる)スタック」を含めた総件数も6月の222件に対し、7月は54件増の276件だった。

 同支部によると、雨天時はくぎやネジ、金属片などの異物が路面に流れ出て、パンクにつながる恐れがある。ぬれたタイヤは異物が刺さりやすくなるとし、日常的な目視でのタイヤ点検や空気圧チェックを推奨する。そのほか、大雨時に冠水した路面を走行し、車の吸気口から水が入ると、重大なエンジン故障などに発展するリスクも指摘した。

 バッテリー上がりは依頼件数の約3割を占める。エアコンの使用頻度が増える夏場や冬場に、バッテリーへの負荷が高まり発生することがある。経年劣化で蓄電能力が低下しているケースもあり、同支部の担当者は「3年が目安で、(劣化具合の)チェックも一つの対策。定期的に乗車しエンジンを動かすことも大切になる」と呼びかける。

 例年、長期休暇で車の利用が活発化する夏場は車両トラブルが増加する。同支部は、お盆期間に合わせて特別勤務体制を設定するなどし、対応に当たる予定。

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