英文「正確に書く」に課題 全国学力テスト・本県、「聞く」は平均超え

 文部科学省は31日、小学6年と中学3年の全児童生徒を対象に4月に実施した2023年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。4年ぶりに実施された中学3年の英語の平均正答率は、全国の45.6%に対して本県は41%。全国平均を下回った教科の中で、最も全国との差が大きかった。県教育委員会は、英文を正確に書くことに課題があると分析している。

 中3の英語は前回テストを実施した19年度よりも全国平均との差が開いた。県義務教育課によると、「書くこと」の領域で、会話の内容から現在や過去、未来の時制を判断し、正しく英文を作る問題で全国平均を下回った。一方、「聞くこと」の領域の問題は全国平均を上回った。石原敏行課長は「コミュニケーションを重視した授業は増えているが、正確に書く、正確に話すという力がまだ足りない」と指摘した。

 英語の他の平均正答率は、小6は国語が67%(全国67.2%)、算数が61%(同62.5%)。中3は国語が70%(同69.8%)、数学が50%(同51%)。都道府県ごとの正答率は整数値で公表されている。

 本県の課題とされてきた数学は前年度に改善傾向を示したが、本年度は全国平均に届かなかった。基本的な問題を解く力に弱さが見られたという。国語は小6、中3ともに全国平均と同程度の正答率となった。自分の思い、考えを書く力が身に付いているとされる。

 石原課長は「全体として課題の多い結果」と受け止め、「しっかりと分析をして課題を明らかにし、具体的で実効性のある取り組みにつなげる必要がある」と話した。

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