勇壮な舁き山 壱岐伝統「郷ノ浦祇園山笠」 4年ぶり開催!

佐賀里の石段を登る下山流の舁き山=壱岐市郷ノ浦町

 286年の伝統を誇る壱岐郷ノ浦祇園山笠(やまがさ)(同振興会主催)が7月30日、長崎県壱岐市郷ノ浦町であり、4年ぶりに勇壮な舁(か)き山が町内を練り歩いた。
 同山笠は1737年、郷ノ浦で疫病が起こり、地元の八坂神社へ奉納したのが始まりとされる。博多祇園山笠で使われたものを借り受け、前後左右四面に飾り付ける。新道流(しんみちながれ)、本町流(ほんまちながれ)、下山流(しもやまながれ)、塞流(さいながれ)の四つに加え、同町の市立盈科(えいか)小の児童らが作って曳(ひ)く人気キャラクターの盈小流(えいしょうながれ)、市立郷ノ浦中の郷中流(ごうちゅうながれ)も参加した。
 塞神社を出発した舁き山は途中、「ヨイヨイヨイ」のかけ声で担ぎ上げられる。担ぎ手は「ヨーカイタ」のかけ声とともに急な坂道や階段を上がった。登り切ったところで両手で高々と持ち上げると「ヨーサシタ」のかけ声と歓声が沸き起こり、見どころの「佐賀里(さがり)の石段登り」では観衆が周囲を埋め尽くした。
 四つの山は市役所、壱岐署、県壱岐振興局、合同庁舎に分かれて太鼓の打ち込みをした。新道バス停前では四つの流が集まり、みこし同士をぶつけるみこし相撲があった。その後、本町大通りで最後の舁き山をして終了した。

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