県版学力テスト 9教科、前年度下回る ゲーム「4時間以上」増加

 県教委は31日、4月の全国学力テストに合わせて実施した県版テスト「とちぎっ子学習状況調査」の結果を発表した。対象は公立の小学4、5年と中学2年。前年度と内容が異なるため単純比較はできないが、計11教科のうち9教科が前年度を下回り、6教科が県教委の想定に届かなかった。一方、ゲームを1日4時間以上している児童、生徒が各学年とも年々増加していることも明らかになり、県教委は「ゲーム時間が短い方が平均正答率が高い傾向が見られる」と分析している。

 調査は義務教育学校や特別支援学校を含む公立の小学校343校と中学校157校の計500校で行い、計4万4953人が対象となった。

 小学校が国語、算数、理科の3教科、中学校が英語や社会も含めた5教科で実施し、想定正答率は小学校がそれぞれ65%程度、中学校が60%程度に設定した。

 各教科の平均正答率は、小学校が67.2%(小4算数)~57.3%(小5算数)、中学校が61.4%(国語)~49.0%(理科)。前年度を上回ったのは小4と小5の理科のみ。小5の国語、数学と中2の国語を除く4教科が県教委が想定した正答率にも及ばなかった。県教委は「おおむね知識・技能よりも思考・判断・表現が低い傾向にある」としている。

 併せて行ったアンケートでは、1日当たり4時間以上ゲームをしていると答えたのは小4が15.1%、小5が15.8%、中2が14.4%。いずれも21年度を2ポイント前後上回っている。

 ゲーム時間と平均正答率のクロス集計の結果、小5でゲームを「全くしない」と答えた児童の理科の平均正答率が71.9%だったのに対し、「4時間以上」の児童は55.0%と低かった。中3英語では「全くしない」とした生徒の正答率が65.0%だったが、「4時間以上」は39.4%と大幅な差が見られた。

 県教委義務教育課の担当者は「必ずしもゲームが悪ということではなく、自分で計画を立て時間を有効に使ってもらいたい」と話している。

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