豪華絢爛、闇夜照らす山車 ユネスコ無形文化遺産・八戸三社大祭(青森県)開幕

ライトアップされたきらびやかな山車が中心街に並んだ八戸三社大祭の前夜祭=31日午後7時15分過ぎ、八戸市三日町

 青森県南地方最大の夏まつり・八戸三社大祭が31日、前夜祭で幕を開けた。会期中は、コロナ禍を経て4年ぶりに神社行列と山車の合同運行が復活。八戸市中心街の目抜き通りと市庁前市民広場には、各山車組が趣向を凝らして制作した豪華絢爛(けんらん)な山車27台が並び、ライトアップで闇夜を照らし出すきらびやかな時代絵巻が市民や観光客の目を引いた。

 三社大祭は国の重要無形民俗文化財で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つ。

 午後6時、開幕を告げる号砲とともに、祭りばやしがスタート。笛や太鼓に合わせて子どもたちの「ヤーレ、ヤーレ」のかけ声が元気よく響いた。名古屋市から帰省中の娘家族と訪れた会社員住澤久人さん(63)=八戸市=は「やっぱり三社大祭っていいなと改めて感じた。大きくて色鮮やかで、孫にも見せられたのでよかった」と顔をほころばせた。大祭本部によるとこの日の人出は24万8千人だった。

 1日は午後3時から神明宮、龗(おがみ)神社、長者山新羅神社の「三社」の神社行列に続き、神楽や虎舞、27台の山車が合同で市中心街を練り歩く「お通り」が行われる。会期は4日の後夜祭まで5日間。

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