珠洲市蛸島町に1日、餌やりや乗馬体験などを通じて元競走馬と触れ合うことができる「珠洲ホースパーク」がオープンした。日本中央競馬会(JRA)の元調教師、角居勝彦さん(59)=金沢市出身=が、引退馬が余生を過ごせる場所として整備した。5月に最大震度6強の地震に見舞われた珠洲市の観光誘客につなげていく。
ホースパークは約1万平方メートルの放牧地と、馬が運動する約1800平方メートルの角馬場が整備された。来場者がニンジンなど与えたり、ブラッシングを体験したりして楽しむことができる。入場料は500円で、珠洲市民は無料となる。
角居さんは2020年7月から、同市三崎町粟津の「タイニーズファーム」を拠点に引退馬の支援活動に取り組んでいる。現在、JRAで3勝したレッドアルティスタ(11歳牡馬)やサトノアクセル(11歳牡馬)、ヴォリション(16歳牝馬)とミニチュアホースの4頭がいる。
ホースパークは旧農業施設「花き栽培センター」の跡地に整備した。近くにはホテルやオートキャンプ場があり、観光客が宿泊しながら楽しむこともできる。市の協力も得て3月から準備を進めてきた。
元競走馬と触れ合うことができる場所は全国的に少なく、今後は放牧地を拡大し、馬の数も増やしていく考えで、角居さんは「人と馬とが距離を縮められる場所にしていきたい」と話した。