災害時の水源確保へ「防災井戸」の取り組み 浜松市

地震や大雨による断水時の水の確保にむけて今、井戸水が注目されています。浜松市で2023年から始まった「防災井戸」の取り組みとは。

生活に欠かすことのできない「水」。1人当たり1日300リットルを使っていると言われています。そのため、災害発生時に大きな問題となるのが断水被害。断水時の水の確保を目指し浜松市が3月から「防災井戸」の取り組みを始めています。市内で井戸を持つ家庭や企業を対象に、災害時に善意で市民に水を提供してくれるところを募集しハザードマップに記載しているのです。

(浜松市危機管理課 松本 文哉 専門監兼課長補佐)

「一般的には一か月くらいは断水することも想定されております」「市民にも備蓄を自ら行うように呼び掛けているが、生活用水は確保できているといえない状況なので補完する意味合いで防災井戸という取り組みを進めております」

マップに登録されている住居を訪問してみると…。

(家の主人)

「これが防災井戸、11メートル掘ってある毎分11リットルの水をくみ上げている」「普段、畑に水をまいたり、車洗ったりとか使っています」

発電機を準備して停電しても水のくみ上げができるようにしています。

(家の主人)

「防災井戸の登録を目にして利用していただければと登録させていただきました」

一方、こちらは浜松市東区でサウナ施設を運営する企業です。

(個室サウナ CHILLBOX 伊奈 毅 社長)

「こちらの水風呂に地下水を利用させてもらっています」

この地下水を災害時に地域のために使えないかと考え、手動で水をくみ上げられる設備を設置しました。

(個室サウナ CHILLBOX 伊奈 毅 社長)

「お店の特性で地域の皆様に還元できるところがあるか探していたらインターネットで防災井戸を発見して登録した流れです」「生活用水は備蓄は難しいと思うのでそういう時に使ってもらえたら」

浜松市によりますと、防災井戸が増えることは地域全体としてのメリットも非常に大きいと話します。

(浜松市危機管理課 松本 文哉 専門監兼課長補佐)

「高齢者などは避難所まで距離があったり、重たい水を持って帰らなければいけない労力が必要となるが、ご自宅から近い防災井戸があればそういう人の負担を軽減できる」

「防災井戸」の取り組みは、県内では少なくとも浜松市・静岡市・藤枝市で行っています。

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