7月の県内 猛暑日、小山と宇都宮で最多更新 熱中症搬送は過去2番目578人

 県内は7月、高気圧に覆われるなどして気温が上昇し、全14観測地点のうち最高気温が35度以上の猛暑日となった日数は小山が計15日、宇都宮が計14日で、いずれも7月の観測史上最多を更新したことが1日、宇都宮地方気象台への取材で分かった。佐野は計15日で、過去2番目だった。連日の厳しい暑さにより、熱中症患者も増加。県によると、7月の熱中症疑いの救急搬送者数(速報値)は前年同月比161人増の578人に上り、2008年の統計開始以降、7月で2番目に多かった。

 同気象台によると、7月の本県は高気圧に覆われ、暖かく湿った空気が流れ込みやすかったため気温がかなり高くなった。また今年は7月22日に関東甲信と東北が梅雨明けし、気温が急激に上昇。小山は24日から8日間連続、宇都宮は25日から7日間連続で猛暑日となった。佐野の計15日は、18年7月に記録した計18日に次ぐ日数だった。

 各地で月平均気温も上がった。宇都宮は27.5度で、統計開始以降、7月としては2位の高さだった。月間の日照時間は215.9時間で、平年の約2倍に増えた。宇都宮を含む12観測地点で、月平均気温が過去2番目の高さとなった。

 熱中症の搬送者数も増加した。県消防防災課によると、7月の578人の内訳は重症11人、中等症188人、軽症379人で、死者はいなかった。年齢別では、75歳以上が200人で最も多く、40~64歳が142人、18~39歳が91人、65~74歳が83人と続いた。

 重症患者の年代別は80代が4人、50代3人、40代2人、60代と90代が各1人。搬送時の状況は、草刈りや農作業中、寝室で就寝中などだった。7月の搬送者数の最多は18年の858人。

 気象庁によると、8月の関東甲信は暖かい空気に覆われやすく、特に前半は気温がかなり高くなる見込みだ。同課は「不要不急の外出は控え、外出する際には日傘や帽子などを準備してほしい。屋内ではエアコンを適切に使うことが大切」などとし、熱中症対策を引き続き呼びかけている。

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