リンゴ初競り堅調 青森県内3市場、2023年産の極早生種上場

活発な取引が行われた弘果弘前中央青果の初競り=1日午前8時50分、弘前市
堅調なスタートとなった津軽りんご市場の初競り=1日午前9時ごろ、板柳町
前年並みの価格で取引された五所川原中央青果の初競り=1日午前7時20分ごろ、五所川原市

 2023年産青森県産リンゴの初競りが1日、弘前市の弘果弘前中央青果、板柳町の津軽りんご市場、五所川原市の五所川原中央青果の3市場で行われた。お盆のお供え物などに使われる極早生(ごくわせ)種の花祝や夏緑などが上場。弘果では花祝の高値が1箱3万2400円(20キロ原箱)のご祝儀相場をつけ、5年連続1箱3万円以上の大台に乗った。適度な雨と好天が続いた影響でリンゴの肥大は順調に進み、全体では平年並みの相場がつく堅調な滑り出しとなった。

▼弘果弘前中央青果

 弘果には青色系の夏緑や祝、赤色系の花祝など計2218箱(前年比15.1%減)が上場された。入荷量は夏緑が1113箱(同13.9%減)、花祝が482箱(同15.3%減)と減った一方、祝は546箱で前年から7.7%増えた。

 今年は開花が平年より10日以上早く、特に生育が進んだリンゴは育ち過ぎで落果する恐れがあるため、一部の生産者は初競りの前に別の市場にも上場している。このため初日の数量は前年よりやや減少した。

 花祝の高値は3年連続で3万2400円となり、中値は1万800円(同横ばい)、安値7560円(同)だった。全体の半分を占める夏緑は高値7560円(同7.7%増)、中値5400円(同横ばい)、安値4320円(同14.3%増)だった。

 弘果の會田一男専務は「春先の降霜の影響を受けたリンゴもあるが、全体的には高品質。猛暑が続く7月からは寒暖差が少なかったが、生産者の努力で着色も良い。いいスタートを切れた」と語った。

▼津軽りんご市場

 津軽りんご市場には生産者約480人、買参人約40人が来場。各品種とも中値、安値がほぼ平年並みの堅調なスタートとなった。

 上場されたのは夏緑、祝、花祝など計947箱で、前年比0.7%減。1箱当たりの価格は、全体の6割を占めた夏緑が高値7560円(前年比7.7%高)、中値5400円(同横ばい)、安値3780円(同)。この時期希少な赤色系の花祝は高値1万9440円で前年より18.2%安かったが、中値、安値は前年並みだった。

 同社の對馬智範常務取締役は「今年は適度な雨が降り、生育が早かったことから玉伸びが良かった。食味も良い。他県のリンゴに霜の被害があったと聞くので、本県産の引き合いが強くなるのでは」と推測した。

▼五所川原中央青果

 五所川原中央青果には買参人や生産者約30人が集まった。上場されたのは夏緑、花祝、メルシー計約70箱で、入荷量は前年に比べて半分ほどにとどまった。

 花祝は高値1万800円(前年比横ばい、以下同)、中値7560円、安値5400円。夏緑は高値6480円、中値4320円、安値3240円だった。

 三橋敏文取締役部長は「価格はまずまずのスタート。ここ数日の猛暑の影響で、収穫や葉取り作業を控えた生産者が多かったために数量が減ったと思われる。生育自体は順調で、今後天候が安定すれば量も増えてくるのではないか」と期待した。

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