真夏の厳しい日差しが照りつける中、兵庫県明石市二見町東二見では、名産のマダコを天日で乾燥させた干しだこ作りが最盛期を迎えている。竹串で目いっぱい広げた8本足が青空の下、シルエットになって揺れる。
播磨灘ではマダコの旬は夏といわれる。漁師が麦わら帽子をかぶって海に出る様子から「麦わらダコ」とも呼ばれてきた。近年は漁獲が低迷し、漁業者らが資源保護に乗り出している。
西尾礼子さん(76)は7月中旬から干しだこ作りを開始。親類のタコつぼ漁師が二見沖で水揚げした新鮮なマダコを早朝からさばく。快晴の日なら2キロの大物も夕方までに乾くという。「干すと臭みが消えて香りが良くなる。きょうは風もあって、あめ色のええタコができるわ」と張り切っていた。(小林良多)