炎の武者出陣、乱舞とともに 青森ねぶた祭開幕 ハネト4年ぶり自由参加

本格開催の夏を迎え、ハネトとともに繁華街を練り歩く青森ねぶた=2日夜、青森市本町
4年ぶりに自由参加が解禁され、思い切り乱舞する青森ねぶたのハネトたち=2日午後7時44分、青森市新町1丁目

 踊る人波が盛大に戻ってきた。北国の夏を彩る青森ねぶた祭が2日、青森市中心部で開幕、今年はハネトの自由参加が復活するなど、コロナ禍を経て4年ぶりに制約のない祭りとなった。夏の夜を焦がす炎の武者。ハネトたちはこれまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように「ラッセラー」と声をからした。

 初日は新規参入団体を含む大型ねぶた15台と子どもねぶた・担ぎねぶた8台が出陣。午後7時の号砲を合図に、各団体のはやし方が一番笛を鳴らした。軽快に音を刻む手びらがね、力強い太鼓の打音と一体となった武者人形が、扇子持ちの采配で右へ左へにらみを利かす。その力強さに、沿道の観客が拍手を送った。

 昨年は事前登録制などの制約で参加人数が減ったハネトも、今年は4年ぶりの自由参加。浴衣、花がさに身を包み、昨年よりも長い隊列が「ラッセラー」と大地を蹴り上げた。バイクで日本一周中に参加した富山市の北林凌さん(27)は「青森ねぶたは特別。一般の人が参加できるのもいい」と笑顔。ハネト団体「青森ねぶた跳人衆団 跳龍會(ちょうりゅうかい)」名誉顧問の後藤公司さん(47)は「久しぶりに会う仲間もいて、コロナ禍前より盛り上がった。初日で燃え尽きました」と充実感をにじませた。

 沿道から祭りを楽しんだ青森市の技術作業員、福田一聖さん(33)は「ハネトもはやしも観客も、新型コロナウイルスの制限緩和で楽しめるようになり、にぎやかさが戻ってきた」と声を弾ませた。

 会期は7日まで。実行委員会によると、今年は集計方法の変更に伴い、当日の人出は翌日に発表する。

 2日目を迎えた弘前ねぷたまつりは、弘前市中心部の土手町コースで審査合同運行を行った。「ヤーヤドー」のかけ声を響かせながら、32団体の扇ねぷたや組ねぷたなどが悠々と街を進んで、沿道の約18万人(まつり本部発表)を魅了した。

 八戸三社大祭の中日を迎えた八戸市では、山車の夜間合同運行が行われた。ライトアップされた各山車が市中心街を練り歩き、観客らの目を引いていた。

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