LGBTQカップルの親や子どもも家族「ファミリーシップ制度」導入 三田市 市住入居など可能に

三田市が交付する「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書」の受領証とカード

 兵庫県三田市は、LGBTQなど性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係と公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を拡充し、カップルの親や子どもも家族として認める「ファミリーシップ宣誓制度」を7月に導入した。宣誓することで市営住宅への入居などが可能になる。市によると、ファミリーシップ制度は明石や芦屋など県内4自治体が既に取り入れている。(橋本 薫)

 市は昨年4月に人権共生条例を施行。同年に始まった第5次総合計画でも「多様性と調和による誰ひとり取り残さないまちづくり」と掲げている。宣誓制度の対象を親子間まで広げ、市民の理解促進や性的少数者の生きづらさの解消などにつなげる。

 市は2019年10月にパートナーシップ宣誓制度を導入。18歳以上で一方か両方が市民か転入予定者などの要件があり、これまで3件の届け出を受理している。ファミリーシップは、パートナーシップ宣誓者の親か子どもが対象で、15歳以上の子と親は本人の同意が必要になる。

 宣誓により、市営住宅での同居や、三田市民病院への入院・手術の同意、市合葬式墓所への申し込みなどができる。また、パートナーの合計年齢が80歳以上でも、子どもが18歳以下でファミリーシップを結ぶ場合は子育て世帯となり、若年層が対象の住宅取得や空き家リフォームの補助を受けられる。

 宣誓には、宣誓書や住民票の写しなどの必要書類を市人権共生推進課に提出。審査を経て宣誓書受領証と受領証カードが交付される。同課の佐藤まゆみ主幹は「世の中にはいろんな人がいて当然。困りごとや制約がなく、当たり前の暮らしが普通にできる社会になればうれしい」と話している。

 問い合わせは同課TEL079.559.5062

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