台風19号教訓に、迅速な情報伝達を確認 足利市職員ら80人が訓練

市職員らが真剣な表情で取り組んだ情報伝達訓練

 【足利】2019年に甚大な被害をもたらした台風19号の教訓を生かそうと、市は7月29日、災害時における情報伝達訓練を市役所などで行った。

 台風19号発生時は電話やファクスで情報収集を行ったが情報が入り乱れ、被害の全容を把握することが難しかった。この反省を踏まえ、市民の生命や財産に関わる情報を的確に受信し、迅速に伝達することが訓練の目的。市職員など約80人が参加した。

 市職員は通報処理や外部調整、広報など六つのチームに分かれ、各関係機関への情報伝達を中心に実施。市民からの通報など膨大な情報を「災害情報共有システム」に入力し、災害状況を全職員で共有した。広報チームは交流サイト(SNS)やLINE(ライン)などで実際に「訓練情報」を市民に配信。災害対策本部長を務める早川尚秀(はやかわなおひで)市長と渡良瀬河川事務所長とのウェブホットラインをつなぐ訓練も行った。

 早川市長は「訓練の意義を理解し、緊張感を持って取り組んでいた。訓練で感じた課題を改善してほしい」と講評した。

 この日は市議会も災害時対策訓練を行った。

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