源平ゆかりの寺にクメール美術の「神殿」?? 神戸・須磨寺 レリーフや石仏など居並ぶ

異国情緒漂う、クメール美術の巨大なレリーフ=神戸市須磨区須磨寺町3

 真夏の参道に、世界遺産アンコール遺跡が現れた-。そう錯覚するほどクメール美術の大きな彫刻に心を奪われた。訪れる人を異国情緒へといざなう。

 源平ゆかりの古刹、須磨寺(神戸市須磨区)にある回廊「亜細亜万神殿」に飾られたレリーフ。クメール美術は、7世紀から13世紀にカンボジアなどで発展した石彫を中心とした美術様式で、同神殿には石仏など約40点が居並ぶ。

 同寺によると、レリーフや石仏などは2014年に京都のコレクターから寄贈され、16年に同神殿が完成した。展示物はいずれも後世の作品だが、つくりは精巧そのもの。優美な表情や手つきの柔らかさから荘厳さが漂う。

 仏教芸術も並ぶほか、回廊の中心には、ネパール寺院のストゥーパ(仏塔)などが安置されている。同寺の小池陽人副住職は「『祈り』で結びつく、アジアの多様な信仰が共存していることを感じてもらいたい」と話す。

 拝観自由。午前8時半~午後5時。須磨寺TEL078.731.0416 (鈴木雅之)

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