4年ぶり「騎馬打毬」、武者躍動 長者山新羅神社(青森・八戸市)

馬上から毬を投げる騎馬武者=2日午後、八戸市の長者山新羅神社

 八戸三社大祭中日の2日、青森県八戸市の長者山新羅神社「桜の馬場」で、県無形民俗文化財「加賀美流騎馬打毬(だきゅう)」が4年ぶりに開かれた。騎馬武者たちが人馬一体の勇壮な武芸を披露した。

 加賀美流騎馬打毬は藩政時代の1827(文政10)年、八戸藩士たちが同神社に騎馬打毬を奉納したのが始まりとされ、200年近い歴史がある。

 「素襖(すおう)」などの装束を身にまとった騎士たちは、3騎ずつ紅白両軍に分かれ、4点先取方式の3試合を実施。先端に網が付いた毬杖(まりづえ)で毬をすくい上げ、「オー」というかけ声とともに自軍の毬門(ゴール)を目がけて投げ入れた。

 ゴールが決まるたびに大勢の観客から大きな歓声と拍手が上がり、初出場の若手騎士には「頑張れ!」などと声援を送っていた。

 加賀美流騎馬打毬は通常、8騎が紅白に分かれて試合をする。しかし、新型コロナで中止が続いた中で馬2頭が死んだことや、騎士の練習不足などの影響で、今回は規模を縮小して6騎で実施した。

 八戸騎馬打毬会の山内正孝会長は「たくさんの方々に協力していただき開催にこぎ着けられた」と喜ぶ一方、「馬の調教には2、3年かかる。騎士の育成もコロナで途切れてしまった。以前の状況に戻るのは時間がかかるが、挽回していきたい」と語った。

 試合の合間には、同市の向陵高校の生徒8人が馬を使わずにゴールを狙う「徒(かち)打毬」を披露した。八戸三社大祭は3日午後3時から、3神社の神社行列と27台の山車が市中心街を合同運行する「お還(かえ)り」を行う。

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