陽西、サヨナラで初V 主将「諦めず戦えた」 軟式野球県少年大会 大平南・大平ミスに泣く

サヨナラ勝ちし、歓喜の陽西ナイン=県営本球場

 中学の第68回県少年野球大会兼第53回関東少年軟式野球大会県予選最終日は2日、県営本球場ほかで準決勝と決勝が行われ、決勝は陽西が大平南・大平との延長戦を4-3のサヨナラで制して初優勝を飾った。

 陽西は1点を追う五回、藤白新太郎(ふじしろしんたろう)の適時二塁打で同点。再び1点ビハインドの最終七回も無死二、三塁から近藤楽玖(こんどうらく)の中犠飛で追い付いた。

 延長八回から無死一、二塁で始まるタイブレークに突入。八回表に1点を勝ち越されたが、その裏の攻撃で1死満塁から荒井陽翔(あらいはると)のスクイズで3-3の同点。なおも1死満塁からのスクイズは失敗に終わったが、相手の挟殺プレーにミスが出て決勝点を挙げた。

 陽西は16、17日に千葉県柏市で行われる関東大会に出場する。

粘ってつかんだ栄光 陽西

 我慢の先に栄冠が待っていた。決勝で3度のビハインドを追い付き、逆転サヨナラ勝ちを飾った陽西。山野井直輝(やまのいなおき)主将は「最後まで諦めずに戦えた」と胸を張った。

 派手さはなくとも泥くさく食らい付いた。1点を追う五回は藤白新太郎(ふじしろしんたろう)が2死から同点の適時打。「失点しても切り替えられた」と踏ん張り、自らを救う一打で流れを渡さない。1-2の七回は後藤颯太(ごとうそうた)の中前打を足掛かりに、近藤楽玖(こんどうらく)の犠飛で同点。劣勢が続いても気後れする選手は一人もいなかった。

 「次、取り返そう」「諦めないぞ」の声がベンチに響く。丸岡秀樹(まるおかひでき)監督も「1回戦からミスが続いても下を向かず、その時々でベストなプレーができていた」と日々成長する姿に目を細める。

 「全員が勝ちたい気持ちを強く持てていた」。2年藤白は執念を勝因に挙げる。2年前に全国大会を経験した山野井ら3年生と下級生が共に勝利を追い求め、戦ったからこその逆転劇だった。

 逆転勝利の勢いのまま関東の頂を狙う陽西ナイン。「しぶとく勝ち上がっていく」と藤白が言えば、山野井主将も「最後まで粘って諦めずに戦う」と続けた。決勝で得られたのは、接戦で勝ち切った自信。その経験は強豪ひしめく大舞台で、大きなアドバンテージになるはずだ。

優勝した陽西

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