日本原燃関連企業、1万人分情報漏えいか 不正アクセス受け

 日本原燃は3日、六ケ所再処理工場の保守業務などを担うグループ会社「ジェイテック」(青森県六ケ所村)のコンピューターシステムが不正アクセスを受け、この会社の従業員や取引先関係者ら約1万人分の個人情報が漏えいした可能性があると明らかにした。同工場をはじめ、原燃の敷地に入る際に提示が必要な氏名や住所、電話番号、身分証のコピーなどが流出した疑いがある。現時点で被害は確認されていないという。

 不正アクセスは2月に発覚。システムを共有する2社でウイルス感染が判明した。原燃は当初、ジェイテック社とは別のグループ会社で管理する工場視察者ら約5千人分の個人情報が漏えいした可能性があると公表していたが、詳細調査の結果、流出はなかったと判断。それとは別に、ジェイテック社から情報漏えいした疑いが新たに浮上した。

 対象となる約1万人は2003年11月~23年2月、ジェイテック社が受発注したメンテナンス関連業務を請け負うなどした取引先企業の作業員らが多くを占めるとみられる。実際に情報漏えいしたかどうかについて、原燃は「現時点で確認されていない」とした。

 原燃とジェイテック社は不正アクセスを受け、原子力規制庁や関係機関と連携して被害拡大の防止、監視強化など再発防止策を実施。通報を受けた県警が捜査を進めているという。

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