【シンガポール】企業統治・透明性指数、23年は過去最高更新[経済]

シンガポールの2023年の企業統治・透明性指数(SGTI)は全体で74.8となり、前年の70.6を大きく上回った。指数は過去最高を更新し、伸び幅も00年以来、最大となった。

SGTIは、上場企業のコーポレートガバナンス(企業統治)や情報開示の透明性を示す指数。シンガポール国立大学(NUS)ビジネススクール付属機関のガバナンス・サステナビリティー(持続可能性)センター(CGS)と大手会計事務所CPAオーストラリア、シンガポール取締役協会(SID)がまとめた。

今回はシンガポール取引所(SGX)の上場企業474社が対象。「役員会の責任」「株主の権利」「利害関係者とのエンゲージメント(対話)」「説明責任と監査」「情報開示と透明性」の5つの分野で審査した。

23年は5分野全ての指数が前年を上回った。特に「利害関係者とのエンゲージメント」の上昇が目立った。

企業別の総合部門では、通信最大手シンガポール・テレコム(シングテル)が前年の3位から1位に浮上した。同社は15年から19年まで5年連続で1位だった。

金融最大手DBSグループ・ホールディングスと空港地上業務を手がけるSATSは同率で2位。DBSは前年から順位が変わらなかった。前年1位だったSATSは1ランク後退した。

不動産投資信託(REIT)・ビジネストラスト(事業信託)部門のSGTIは前年の85.3から89.3に上昇。1位は前年に引き続きキャピタランド・アスコット・トラスト(旧アスコット・レジデンス・トラスト)だった。

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