なでしこ旋風の再来期待 選手や関係者、熱い視線 県内競技人口は横ばい続く W杯 5日決勝T初戦

基礎練習に励む河内SCジュベニールの選手たち。なでしこの活躍に大きな期待を寄せている=1日夜、宇都宮市岡本西小体育館

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)で、予選リーグを3連勝し決勝トーナメント進出を決めた日本代表の活躍に、未来の「なでしこ」を目指す栃木県内の選手らが熱い視線を送っている。2011年にW杯ドイツ大会で初優勝を果たした日本の躍進は当時、競技人口の増加など県内女子サッカー界に活気をもたらした。関係者は「快進撃をみせてほしい」と、“なでしこフィーバー”の再来に期待を込める。日本は5日、ノルウェー戦に挑む。

 1日夜、宇都宮市岡本西小体育館。小学生から社会人までの43人が所属する女子サッカーチーム「河内SCジュベニール」の選手たちが練習に汗を流した。11年の優勝メンバーの安藤梢(あんどうこずえ)さん(宇都宮市出身)と鮫島彩(さめしまあや)さん(同)を輩出した名門チームで、選手たちはなでしこの躍進に注目する。

 トップチームの副キャプテン猪股梢(いのまたこずえ)さん(24)は前回優勝時の“フィーバー再来”を願う。「あの時は学校で『女子サッカーすごいよね』って声かけられたりして。今回も勝って盛り上がってほしい」

 予選リーグを全勝し勢いに乗る日本。U15(15歳以下)チームの梅澤芙綾(うめざわふうあ)さん(14)も「チームのプレースタイルとか選手の話で仲間と盛り上がっている。次の試合も絶対見る」と興奮を隠しきれない様子だった。

 県サッカー協会によると、小学生から社会人までの女子サッカーの登録選手数は、W杯初優勝の11年度は732人。W杯カナダ大会で準優勝だった4年後の15年度は、過去最多の1008人に増加した。

 リオデジャネイロ五輪のアジア最終予選で敗退した16年以降は900~800人台で推移。23年6月末時点では889人が選手登録する。ピーク時からは微減し、ほぼ横ばいが続く近年について、同協会は「少子化のほか、サッカー以外に選択肢が多様化している影響もある」と分析する。

 同協会女子委員会の徳田明義(とくたあきよし)委員長(65)は「予選リーグでスペインに勝てたことは大きい。日本人でも海外の強豪に勝てると示すことで子どもたちに刺激を与えられる」と強調。勝ち進むことでの競技人口の裾野拡大に期待した。

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