中禅寺湖の霊場巡って祈り 伝統行事「船禅頂」に200人参列

ボートの上で読経する僧侶ら

 【日光】日光開山の祖・勝道上人(しょうどうしょうにん)が修行した中禅寺湖の霊場を巡る日光山輪王寺の伝統行事「船禅頂(ふなぜんじょう)」が4日、奥日光の同湖周辺で行われた。県内外から約200人が参列し、各霊場を巡って勝道の遺徳をしのんだ。

 船禅頂は勝道と弟子らが船に乗って、同湖畔の霊場を巡って修行したことが発祥とされ、「補陀洛(ふだらく)禅頂」「浜禅頂」とも呼ばれる古儀。

 この日は、輪王寺別院・中禅寺立木観音で法要が営まれた後、参列者らは遊覧船に乗船。船は八丁出島の薬師堂跡や上野(こうづけ)島の勝道の墓所などを巡った。

 先行するボートに乗った僧侶と山伏が各所で読経をささげ、参列者も手を合わせた。千手ケ浜では参列者らも下船し、輪王寺が再建した千手堂を訪れて祈りをささげた。

 中禅寺の人見良典(ひとみりょうてん)執行(しぎょう)は「今年も多くの人に参列していただき、勝道上人に思いをはせてもらった。今後も長くこの行事を続けていければ」と話した。

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