「何が起きたの?」「浴びたくなっちゃうぐらい」水道管から水が約30m噴きあがる…各自治体を悩ます老朽化

8月4日未明、浜松市西区の水道管から水が吹き出し、その高さは建物の10階にあたる30mにまで上りました。

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<伊部桜輔カメラマン>
「浜松市西区です。水が高く吹き上がっています」

4日午前2時45分頃、警察から浜松市役所に「水が噴き出ている」と連絡がありました。

水は浜松市西区伊左地町の六地蔵橋に並行する水道管から、30メートルほどの高さまで噴き出しました。30mというと建物の10階にあたる高さです。

<通りかかった人>
「もうなんで?何が起きたの?って」

<高校生>
「なんかすごい噴水みたいに噴き出してるなと思って、きょう朝、学校に行く時に『何だあれ?』と思って。もう浴びたくなっちゃうくらいですね」

浜松市によりますと、この水道管は浜松市西区深萩町の池から西区内に水を供給するためのもので、33年前の1990年に設置されました。

漏水の原因は、補修弁と呼ばれる部品が老朽化によって破損し、水が噴き出したとみられています。何かの拍子に外れたとみられる補修弁のねじは、錆びていました。

<清水英之記者>
「あ、止まった、止まった」

漏水は、約12時間後に止まりました。

<浜松市水道工事課 大瀬真一さん>
「バルブを開けたりすると、水の流れが変わって、赤水、錆水が出るので、その対応に時間がかかる可能性も」

浜松市によりますと、断水などは確認されていませんが、西区と南区の約2万4,000世帯で水道水に濁りが発生するおそれがあるということです。

「静岡市清水区の国道1号線の歩道で地面から水が噴き出しています」

実は県内でも水道管の破損をめぐるトラブルは後を絶ちません。2019年に静岡市で起きた漏水では、埋設から70年近くも経った水道管に大きな穴が開きました。

<静岡市上下水道局水道管路課 石野敏課長>
「市内の給水区域の図面になりまして、静岡市内には約2700kmの水道管がある。このうち、現在老朽化している管は、160kmを超えている」

水道管が使える期間=使用年数は、設置場所や土の成分によって異なりますが、平均すると85年。11年後の2034年には、静岡市内の実に240kmの水道管が使用年数を迎えるということで、現在、急ピッチで工事が進められています。

静岡市内の水道管の老朽化は深刻で、2022年度は年間89件の修復作業が行われました。

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