知らない世界も、新しい言葉も…紺野美沙子さん、行田で読書の魅力語る 原爆で子亡くした母らの手記朗読も

講演する紺野美沙子さん=埼玉県行田市佐間の市教育文化センター「みらい」

 埼玉県行田市の忍郷友会は7月30日、読書推進実行委員会第20回特別記念講演会を同市佐間の市教育文化センター「みらい」で開催し、俳優で朗読座主宰の紺野美沙子さん(62)が講演と朗読を行った。紺野さんは「読書は想像力が豊かになる。他者を思いやる力がつき、人の痛みも分かるようになる」と読書の魅力を語った。

 同委員会は子どもたちの心に読書することへの楽しさを育むため、読み聞かせボランティアや保護者などの読み聞かせをする力の一層の向上を願い、毎年講演会を実施している。今回の講演会には約400人が来場した。

 紺野さんは東京都出身。慶応大学在学中にNHK連続テレビ小説「虹を織る」でヒロインを演じた。テレビドラマや映画、舞台のほか、国連開発計画(UNDP)親善大使としても活動し、2010年秋から「紺野美沙子の朗読座」を主宰。相撲の女性ファン「スー女」の元祖として知られ、横綱審議委員も務める。

 講演で紺野さんは小学生の時に授業で朗読を教諭に褒められ、演劇クラブに入ったエピソードを紹介。本を読むことで知識が増え、新しい言葉にも出合えるという魅力を強調した。「本は知らない世界に誘われ、読書は想像力を培うので、読書で想像力をつけてほしい」と呼びかけた。

 朗読で「星は見ている~原爆でわが子を亡くした父母らの手記より~」を披露。オリジナル映像とともに、平和の大切さを伝える母親の手記を朗読した。

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