「キャンセル出始めた」台風6号 静岡県からまだ遠いけど…観光業にダメージ「土用波」も要注意

鹿児島県の奄美地方を暴風域に巻き込みながら北に進む台風6号。この台風は静岡に来そうもないのに、県内の観光業にダメージを与えています。そして、いま、県内でも注意すべき「土用波」とは?

【写真を見る】「キャンセル出始めた」台風6号 静岡県からまだ遠いけど…観光業にダメージ「土用波」も要注意

<柴田寛人記者>
「白浜大浜海水浴場です。こちらをご覧ください、海水浴客が多く見えますが、きょうは、あちらの赤と黄色の旗の左側が、台風の影響で波が高く、遊泳禁止になりました。海水浴客も少なめだといいます」

伊豆半島・下田の人気の大規模ビーチ「白浜大浜海水浴場」。一見、海水浴客がいるように見えますが、例年に比べ圧倒的に少ないそうです。

コロナ禍が落ち着いたにも関わらず、この海水浴場にとっては、それが、かえって向かい風に。首都圏から遠方の観光地に行く人が増えたことなどで、海水浴客が激減したといいます。

さらに…。

<伊豆白浜観光協会 石渡華南枝さん>
「きのうの午後、遊泳禁止になりました。今シーズン初ですね。(宿泊の予約については)先週ぐらいからキャンセルが出始めたところがあるみたいです」

鹿児島県の奄美地方を暴風域に巻き込みながら北に進む台風6号。この台風は静岡には来そうもないのですが、県内の海岸では波が高くなり、海水浴客の足が遠ざかる一因となっているようです。

こちらの民宿、芦原では8月に入って約10件のキャンセルがあり、そのうちの半数程度は台風の影響とみています。

<芦原 津田亜由美さん>
「週間天気予報が雨にガラッと変わった瞬間、キャンセルの連絡が鳴りやまないような状況でしたね。12、13日ぐらいまで(キャンセルが)入っていました」

下田市内の他の宿泊施設でも、台風の影響とみられるキャンセルが相次いでいて、1000km以上も離れた場所の台風がお盆シーズンの県内観光に影響を与えています。

夏だから、なんとか海を楽しみたい。そう思う人もいるかもしれませんが、今は、海に近づかない方が得策です。

その理由は「土用波」にあります。海の救助のプロ、野口貴史さんは「土用波」をこう説明します。

<USPR静岡県水上オートバイレスキュー連合体 野口貴史代表>
「サイズに決まりはないんですけど、今あるアベレージの波よりも急に大きな波がポツンと入ってきたりして、その波にさらわれるようなことがあるということで」

「土用波」とは、その場では風が弱く波が穏やかに見えても、突然、打ち寄せる高い波のことです。日本のはるか南の海上で発達する台風がもたらす「うねり」によって起こります。

<USPR静岡県水上オートバイレスキュー連合体 野口貴史代表>
「台風の波って周期でやってくるので、1時間に1本だったり、30分に1本だったり、急に大きな波が入ってきたりする。ずっと来ない状態で安心して沖に出ると、突然、土用波にさらわれることがある」

「土用波」に飲まれないためには、県内の天気だけでなく日本列島周辺の台風の状況などを確認することが大切です。

<滝澤悠希キャスター>
県内、雨の日でも楽しめるスポットがあります。オススメの観光スポットを伊豆半島に絞って観光協会に聞きました。

下田市の下田開国博物館は、2023年1月、国内で初めて、AR(拡張現実)を中心にしたトリックアート館を併設しています。

下田海中水族館では、イルカのショーや触れ合いプログラムが盛りだくさん。

伊東市の「伊豆テディベア・ミュージアム」や熱海市市営の全天候型健康運動施設「マリンスパあたみ」も地元の観光協会のおススメです。

© 静岡放送株式会社