「書聖」しのび360人揮毫 小城市で中林梧竹顕彰席書大会

真剣な表情で筆を走らせる参加者=小城市のドゥイング三日月

 小城市出身で「明治の書聖」と呼ばれた書家、中林梧竹を顕彰する席書大会が6日、小城市のドゥイング三日月で開かれた。幼児から大人まで県内一円から約360人が参加し、小城や梧竹にちなんだ課題に向き合って半紙や条幅に筆を走らせた。

 県内最大規模の席書会で、新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりに開催。中学生以下は「ぎおん川」「梧竹通り」「小城の名水」など学年ごとに決められた課題に挑んだ。高校生以上は好きな詩や和歌を選び、気持ちを集中させて条幅に揮毫(きごう)した。

 梧竹は5歳のとき、小城公園の岡山神社での席書会に出場し、才能を見いだされた。大会は梧竹の功績をたたえ、書道教育の促進と新たな人材の発掘につなげようと、市と中林梧竹翁顕彰会(山口三郎代表)が主催し、今回で31回目。4日は梧竹没後110年にあたり、同市三日月町の長栄寺の墓前を訪れた山口会長は「大会を無事再開できたことなどを報告した」と話した。(市原康史)

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