発見50年、大往生 加賀のオオサンショウウオ

体長測定されるオオサンショウウオ=2006年12月、加賀市山中温泉荒谷町の県内水面水産センター

  ●元「日本一大きい」体長136㌢、体重18.9キロ記録

  ●鶴仙渓で発見、推定70歳 県内水面センター

 加賀市は8日、石川県内水面水産センターで飼育していた国特別天然記念物「オオサンショウウオ」が6日に死んだと発表した。オオサンショウウオは50年前に山中温泉の鶴仙渓で発見され、センターで公開されていた。2012年の計測では体長136センチを記録し、日本一の大きさだった。

 6日夕方に見回りをしていた職員が水に浮いているのを見つけた。死因は分かっていない。

 このオオサンショウウオは推定70歳で、性別は不明。1973(昭和48)年に大聖寺川でアユ釣りをしていた住民が捕獲し、旧山中町が近隣のセンターに飼育を委託した。捕獲時は体長112センチだったが、最後に行われた2012年の計測では136センチ、体重18.9キロだった。

 センターは日本動物園水族館協会に加盟していないため非公式ながらも、2013年に当時国内最大だった城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市)の個体が死んだ後は一時、国内最大の飼育個体となっていた。

 現在は京都水族館(京都市)で飼育しているチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種が158センチを記録するなど、加賀市の個体を上回る個体が現れている。

 オオサンショウウオは保護以来、金網に囲われた水槽に展示されていた。

 県水産総合センターの福嶋稔所長は「大きなサンショウウオとして長い間、慣れ親しまれていた存在だっただけに残念だ」と話した。

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