味で勝負! 北広島町 大朝に新ブランド米「わさの舞」誕生 命名は地元小学生

広島県内のコメどころの1つ、北広島町 大朝地域にこの秋、新しいブランド米が誕生します。売りは味のよさ。京都の老舗米穀店が主催するコンテストで去年、敢闘賞を受賞しました。デビューを前に先日、地域の小学生にお披露目のセレモニーがありました。

箱から取り出されたのは、「わさの舞」というコメです。「わさ」とは地元で言う大朝のこと。北広島町 大朝地域の新しいブランド米です。

生産者 水口一真 さん(40)
「地域の大切なコメになっていってほしいですね」

地域の大朝小学校です。

大朝小学校 金原直樹 校長
「この名前をね、みなさんが考えてくれたお礼にということで、きょう、こちらに来ていただきました」

先週末、生産者の 水口一真 さんが訪れ、児童1人ひとりにコメをプレゼントしました。ブランド名を考えてもらったからです。

水口一真 さん
「これからを担う可能性あふれる小学生のみなさんに1人ひとり、意見を聞きたいなと」

そこには、こんな思いがありました。

水口一真 さん
「この中から大朝の農業を支えてくれる人が、もしかしたら出てくるんじゃないかなと。『やっていけるぞ』というような意識を持てるような取り組みにしていきたいなと」

大朝のこれからの農業を支える柱の1つが、この「わさの舞」というわけです。

標高およそ400メートル、島根県境にある大朝地域です。コシヒカリの産地ですが、高齢化率が4割を超え、後継者不足が悩みです。

そんな中、水口さんが5年前から試験的に栽培していたのが「わさの舞」、品種名「いのちの壱」でした。県内では無名のコメですが、おいしいと聞いていたからです。

水口一真 さんたち
「ことしの『いのちの壱』の前途を祝して乾杯!」
「鬼うま! ほんまに聞いたとおり」「めちゃ、うまいです」

取り組みにお墨付きを与えたのが、これでした。京都の老舗米穀店「八代目儀兵衛」が主催するコンテストで去年、ベスト12にあたる敢闘賞を受賞したのです。

水口一真 さん
「正直、うれしかったです。すごくいいスタートが切れたなと思っています」

さっそく、ブランド米作りに乗り出し、大朝小学校の協力を得て、児童たちに名前の案を出してもらいました。

お礼の言葉 前河彩織 さん(6年)
「どんな名前がいいかな? 大朝らしい名前がいいよねと一生懸命考えました。たくさんの人に食べていただいたらうれしいです」

ことしは、水口さんら地区内の農家3軒が2.4ヘクタールで栽培、10トンの生産量を目指します。

袋に記されたローマ字にはこんな思いもありました。

生産者 水口一真 さん(40)
「輸出の可能性を具体的に探しています。海外でも売れるんじゃないか、勝負できるんじゃないかなというふうに思っています」

柴田和広 記者
「この『わさの舞』、今、ちょうど稲穂に白い花が咲いたところです。生育は順調とのことで、このあと、実が入り、9月の下旬ころ、収穫予定です」

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