近代の女性像を紹介 京都の画廊コレクション、京都文化博物館で一堂に

星野画廊コレクションの特色である渡欧画家の名品が並んだ一角(京都市中京区・京都文化博物館)

 京都市東山区にある星野画廊のコレクションから、近代の女性像を紹介する展覧会「発掘された珠玉の名品 少女たち 夢と希望・そのはざまで」が、中京区の京都文化博物館で開かれている。変動激しい時代の中で生きる女性たちの輝きが、和・洋さまざまな絵画群から伝わる。

 星野画廊の経営者星野桂三さんと万美子さん夫妻は、半世紀にわたり、作者の知名度や評価額にかかわらず絵の魅力を主眼に作品を集めてきた。世間で忘れられた画家を再発見した例も多い。

 会場では約120点を8章に分けて展示する。明治期の少女を集めた章では、柔らかな衣服と少女の頰の赤みが優しい八條弥吉「赤いショール」、大正期の個性派画家を集めた章では、女義太夫がくつろぐ姿を描いた鈴木潮司「楽屋の女」などが印象的だ。

 渡欧画家に注目した章では、こちらを見つめる少女の額が清らかな跡見泰「田舎の娘」、フランスの香りが漂うような田中繁吉「パリージェンヌ」などが美しい。

 9月10日まで、有料。8月18日、9月1日に星野桂三さんの展示解説がある。

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