再会楽しみ、何しよう お盆で帰省客ら、戻る人波

大きな荷物を手にした帰省客らで混雑するJR山形駅の山形新幹線ホーム=11日午前10時50分、山形市

 3連休初日の11日、県内では、お盆期間の帰省や旅行を目的とした移動がピークを迎えた。午前中の山形市のJR山形駅では東京方面からの山形新幹線が到着すると、上り列車を待つ人波と合わさり、ホームは混雑した。JR東日本によると、東京駅発時点の乗車率が昨年の50%から85%に増えた下りの便もあり、「(新型コロナウイルス感染症の)5類移行で、人の動きが戻っている」と分析する。移動の波は道路でも。米沢、山形、鶴岡の道の駅などでは多くの県外ナンバーが駐車場を埋めていた。

列車や飛行機、ほぼ満席状態

 山形駅は、大きな荷物を手にした家族連れやグループなどで混み合った。この日、山形新幹線つばさの下りは臨時列車11本を含む計27本を運行したが、終日ほぼ満席だった。JR東日本は「今年は各地でイベントや祭りも増えたことも要因の一つだろう」とする。

 JR東日本によると、午前は上りの乗車率(同駅発時点)も高く、ホームは一時、人の波ができた。川崎市から西川町内の実家に向かう会社員西川裕子さん(37)は「(感染に)気を付けながらゆっくり過ごしたい」、長男の小学3年京佑君(9)は「楽しみだけどドキドキ。おじいちゃんと将棋をしたい」とはにかんだ。5類に移行して初めてのお盆に、「だいぶ出かけられるようになったので、いろんなところに行きたい」と話す帰省客もいた。上りのピークは15日を見込んでいる。

 東根市の山形空港でも羽田発、伊丹発などの到着便の搭乗率は平均95%を超えほぼ満席状態となり、1階ロビーは帰省客を出迎える人でにぎわった。12日はさらに上がり、Uターンラッシュのピークは15、16日になる見通しという。

道の駅や物産館、県外ナンバーや家族連れで活況

 帰省や旅行に伴う県外ナンバーの往来も目立って増えた。米沢市の道の駅米沢は午前9時の開店後から大勢の家族連れらが次々に訪れ、駐車場は県外ナンバーなどで満車状態が続いた。坂川好則駅長(70)は「ガソリン価格高騰による出控えを心配していたが、昨年より動きが良い。コロナ禍前に戻った感じだ」と話す。鶴岡市の庄内観光物産館では、関東や北陸地方の車が目立ったという。

 山形市の県観光物産会館ぐっと山形も、11日になって帰省客や観光客らが大きく増え、関東圏や隣県のナンバーの車も多く止まった。担当者は「思ったより混み、昨年よりはるかに多い。今年は動きやすくなったのだろう」と分析した。

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