初心者が覚えておくべき【長期投資】の優位性と実践方法

投資とは、「未来の豊かさを手に入れるための旅」と捉えることができます。未来の豊かさのためだからこそ、その旅を急ぐ必要はありません。長い目で見れば、道中の揺れや突然の嵐も、大きな流れの中での小さな出来事に過ぎないのです。

今回は投資初心者の方が長期投資を検討するために、長期投資の優位性や、その際には分散投資が有効だということ、そして分散投資の適切な実践方法を解説していきます。


長期投資の優位性

長期投資の優位性としては、主に以下の3つがあげられます。

(1)時間が味方になる
長期投資の大きな利点は、複利効果を最大限に活用できる点です。利益が再投資されて、さらなる利益を生むこの効果は、長期間にわたって積み重ねられるとその力を発揮します。短期投資と比較すると、安定した収益を継続的に得られる可能性があるといえそうです。

(2)市場の変動を気にせず安心
市場は、短期的に大きく変動することがあります。しかし、長期的に見れば、市場は一定の成長を示す傾向があります。そのため、長期投資を選ぶことで、短期的な価格の乱高下から目を背け、安定したリターンを追求することが可能になります。

短期投資より取引数が少ないので、売買手数料が抑えられるというメリットもあります。選んで買ってしまえば、頻繁にチェックする必要もないので、忙しい人でも始めやすいというのも始めやすいポイントかもしれません。

(3)心理的安定
長期的な視点を持つことで、短期の動きに振り回されたり、短期の市場の動きに一喜一憂することが減少します。これは、投資家としての精神的な安定にも繋がり、より良い判断を下す手助けとなります。

成長していく市場や銘柄に投資をすれば、一旦下落をしたとしても、その後保有していれば価格が戻るケースも少なくありません。また配当利回りのある銘柄を選ぶと、保有しているだけで利回りがあるため、下落しても維持しやすいといえます。

分散の基本的な考え方

長期的に運用する場合、特に分散投資を意識してポートフォリオを構築すべきと考えます。

分散投資とは、資産を異なる投資先に分けることでリスクを減少させる戦略を指します。分散投資を行うことで、市場全体の平均的なリターンを追求することが可能となります。これにより、長期的に安定した成果を期待することができます。

投資には必ずリスクが伴いますが、投資先を分散することで、投資全体のリスクを下げることが可能です。一方、分散を行い過ぎると、リターンの機会を逸してしまうことも考えられます。

長期投資をする上では、適切な銘柄選定と分散が重要です。バランスの取り方が鍵となります。

銘柄の選択と分散

異なる業種、地域、時期に投資することで、市場の変動に強いポートフォリオを作ることができます。

例えば1つの銘柄や業界に投資するよりも、複数の銘柄や業界に分散して投資することで、特定のリスクを低減することができます。1つの銘柄が大きく下落したとしても、他の銘柄の上昇により、ポートフォリオ全体としての損失を抑えることができます。

地域分散としての観点では、国内のみに投資するのではなく、国外の株式市場にも投資することで、地域的なリスクを分散することができます。特定の国や地域の経済が不調でも、他の地域の成果で安定したリターンを目指すことができます。

例えば日本株だけを保有するのではなく、世界最大の経済大国である米国株は多岐にわたる産業と企業にアクセスできるという利点があります。地域分散によって、特定の地域に依存するリスクを減らし、多様な市場でのチャンスを広げることができると言えるでしょう。

また時間分散という観点では、ドルコスト平均法など定期的に一定額を投資することにより、市場の高値や安値での投資タイミングの影響を減少させることができます。この方法では、まとまった資金がなくても始められるという優位性もあります。

適切な長期投資の実践方法

ただ、どのくらい分散投資できているのか、自分で把握するのはなかなか難しいですし、面倒と感じる方もいるでしょう。そんな方は、現代のテクノロジーを利用すれば、投資の管理を簡単にすることができます。

例えばマネーフォワードMEの資産形成アドバンスコースの機能では、「異なる業種、地域、時期」が、自分の保有するポートフォリオにおいてどのようなバランスで分散投資できているのか、手のひらの上で簡単にチェックすることができます。口座を連携するだけで、国内株式ではどのような業種の株を持っているのか一目でわかります。

また、MYポートフォリオでタグを作ることが可能で、タグに保有銘柄を紐づけることで、自動で全体に対するタグの割合もわかります。試しに長期保有の米国株と日本株のタグを作ってみました。

これは私の資産の一部ですが、連携した口座の株式は日米のバランスは同じくらいですが、長期保有が少ない状態であることがわかります。個人的にこれから長期保有を増やしていきたいと思っているので、とても参考になりました。

アプリの使用によって、投資初心者でも自分の財務状況をしっかりと把握し、長期的な成功への道をスムーズに歩み始めることができるでしょう。私も自分の投資戦略によってタグをさまざまに作成してみたいと思いますので、また活用法を共有させていただきますね。

長期投資の成功に不可欠なこと

長期投資は、投資家がその先の10年、20年、あるいはそれ以上の期間に渡って投資を保有する方法です。長期投資の利点は長期間保有することで、市場の短期的な揺れから目を背け、資産の価値が増加する機会を最大限に活用できます。

そして長期での株式投資において、分散はリスクを低減し、安定したリターンを追求する上で非常に重要な要素です。分散の戦略を行う際には、過度な分散によるリターンの減少や、管理が難しくなること、手数料の増加などのリスクも考慮する必要があります。

また市場の状況や自身の投資目的が変わった場合には、ポートフォリオの再評価と調整が必要です。分散のバランスを定期的に見直し、最適な投資環境を維持することが重要です。

長期投資は長期放置ではなく、メンテナンスを欠かさないようにしていくことが、投資を成功させるために必須であると言うことを、ご理解いただきたいと思います。メンテナンスの一助としてポートフォリオを見える化してくれるサービスを活用すると、スムーズに見直しや戦略変更ができると考えます。

皆様の投資の参考になれば幸いです。

© 株式会社マネーフォワード