首元涼し「冷やしストール」 大江のニット業者が開発、販売

開発した冷やしストールを妻の和枝さん(右)に着けてもらう清野欣也代表

 暑さの中でもおしゃれを楽しんでほしいと、大江町のニット業者が「冷やしストール」を開発し、販売を始めた。熱中症対策に役立つように保冷剤を入れ、涼感が得られるようにしたストールで、肌触りにもこだわった。業者は「新たな山形の『冷やし文化』の一つとして普及させたい」と意欲を見せている。

 冷やしストールを作ったのは、清野欣也さん(56)=同町藤田=が代表を務め、妻の和枝さん(55)と二人三脚で経営している清野メリヤス。県内外のニットメーカーの下請けで編み立て作業を担ってきたほか、新型コロナウイルス禍を受けて自社製のニットのマスクも販売している。

 「今年の夏は暑くなる」との予報を受け、春から冷やしストールの開発を進めてきた。使用する保冷剤は3個で、肌に触れることでの凍傷や結露を防ぐため、1個ずつ専用の小袋に入れるようにした。ストールには3カ所のポケットを設けており、それぞれに小袋を入れて身に着けると、首の回りが冷やされる。

 小袋は吸汗速乾性のあるリサイクルポリエステル糸(し)、ポケット部は和紙をより込んで通気性などを高めた糸をそれぞれ使用。本体の肌に触れる部分は、シルクのような光沢や滑らかさが特徴のコンパクトヤーンという綿100%の糸を用いることで、肌触りを良くした。「涼感が長く保たれるように実験を重ねた。屋外でのスポーツ観戦などに役立つ」と清野代表。縫い目のない無縫製とし、最小限の糸しか使用しないことで省資源化も図った。

メモ】 冷やしストールは保冷剤付きで7700円。デニム杢(もく、紺)、サクラ(濃いピンク)、ペールグレー(ベージュ)など5色展開。大江町藤田の直営工場や山形市緑町1丁目の衣料品店「メンズ&レディースショップ ジェルシー」で扱い、ネット販売も行っている。問い合わせは清野メリヤス0237(62)4462。

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