【台湾】7月の工作機械輸出額、6カ月連続減少[経済]

台湾の工作機械団体、台湾工具機・零組件工業同業公会(TMBA)によると、台湾工作機械の2023年7月の輸出額(速報値)は、前年同月比14.9%減の2億4,205万米ドル(約346億円)だった。マイナスは6カ月連続。工作機械を含む機械設備の輸出額は、世界経済の弱含みを受け企業が設備投資に慎重になっていることが響き、12カ月連続でマイナスとなった。

7月の工作機械輸出額を製品別で見ると、主力の金属切削機は17.6%減の2億178万米ドル。うちマシニングセンターは15.4%減の8,116万米ドル、旋盤は9.5%減の6,143万米ドルとなった。金属成型機は1.8%増の4,027万米ドル。

市場別に見ると、輸出額トップは中国(香港含む)で、18.9%減の6,525万米ドルだった。マイナスは7カ月連続。2位はトルコで10.6%減の2,961万米ドル。3位の米国は17.2%減の2,958万米ドルで、2カ月連続のマイナスとなった。日本は687万米ドルで7位だった。

7月の輸出額は前月比では8.9%増えた。市場別では中国が14.0%増、米国が10.3%増など。一方、トルコは8.5%減。日本は26.5%増えた。

1~7月の輸出額は前年同期比12.7%減の15億1,411万米ドルだった。製品別では金属切削機が11.8%減の12億9,413万米ドル、金属成型機が17.9%減の2億1,998万米ドルだった。

■機械設備は21.7%減

機械業界団体、台湾機械工業同業公会(TAMI)によると、工作機械を含む機械設備の7月の輸出額は前年同月比21.7%減の26億4,547万米ドルだった。12カ月連続でマイナスとなった。

輸出額の内訳は金額が多い順に◇検量測定設備:0.9%減の4億6,863万米ドル◇電子設備:14.3%減の4億3,056万米ドル◇工作機械:14.9%減の2億4,205万米ドル◇動力伝達部品:30.3%減の1億8,768万米ドル——となった。

1~7月の輸出額は前年同期比19.4%減の170億1,400万米ドル。

1~7月の機械設備輸出額を市場別に見ると、最大の仕向け先である米国は26.4%減の40億8,484万米ドル、2位の中国は29.3%減の39億3,790万米ドルだった。一方、3位の日本は10.9%増の13億8,333万米ドルとなった。

TAMIによると、中国向けの輸出額が全体に占める割合は23.1%で、22年通年を2.8ポイント下回った。ただ過去最低となった1~6月からは0.3ポイント拡大した。米国向けの割合は24.0%で、22年通年から1.6ポイント縮小した。

TAMIは、中国の経済回復の遅れや米国のインフレ、利上げが機械設備の調達の動きに影響していると指摘。一方で検量測定設備と電子設備、工作機械の7月の輸出額はいずれも前月比で増加しており、一定の需要が存在する上、在庫消化の影響が低下したことがみてとれると説明した。

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