郷土料理「にわとり汁」味わって 九重町のホテル、ランチで提供【大分県】

山光園が提供しているにわとり汁(右)のランチ=九重町

 【九重】九重町の宝泉寺温泉郷にあるホテル「花となごみの宿山光園」(佐藤真二代表)は、郷土料理の「にわとり汁」をランチで提供している。

 来客や祝い事があると飼っているニワトリをさばき、野菜と一緒に煮込んで振る舞ったとされる郷土料理。同様の料理は各地にあるが、筑前煮などに比べると汁気が多いのが特徴という。昔は貴重だった砂糖や酒をぜいたくに使う「ハレの日」の品だった。

 地域に伝わる味を観光客にも知ってもらおうと、玖珠郡内で分野を横断した地域振興に取り組むニコネコカンパニー(玖珠町、佐藤裕幸代表)が企画。同町の飲食店「串揚げ帆足」の協力も得てメニュー化にこぎ着けた。骨付きの鶏肉、ゴボウやニンジンなどの根菜、里芋をしょうゆベースの甘辛い味付けで煮込んでいる。鶏飯と数種の小鉢付き。

 温泉入浴付き1500円(税込み)で1日30食限定。女将(おかみ)の佐藤千佳子さん(64)は「反応は上々。地元でも若い世代は知らない人も多いので、郷土の伝統の味を伝えていきたい」と話している。

 問い合わせは山光園(0973.78.8024)。

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