「平和の灯」 小倉から長崎へ 看護学生ら、広島原爆の残り火を歩いてつなぐ

市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂で献灯し、犠牲者を追悼する看護学生ら=長崎市岡町

 北九州市小倉から長崎市まで看護学生らが歩き平和への思いをつなぐ「ナイチンゲール平和の灯」が15日、ゴールを迎えた。採火した広島原爆の残り火をリレーし、長崎市岡町の市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂にともした。
 小倉は長崎原爆の当初の投下予定地だったとされる。小倉から平和を訴え、看護に従事する上で命の尊さや平和について考えてもらおうと、西南女学院大の中島俊介教授(73)が顧問を務める「小さな平和運動連絡協議会」が2021年に始めた。
 3回目の今回は福岡、佐賀、長崎3県から8校64人が参加。本県からは大村市の向陽高の生徒6人が歩いた。
 北九州看護大学校の学生が6日、福岡県八女市星野村の平和の塔でともされ続けている広島原爆の残り火を採火。9日に同校を出発し、小倉と長崎を結ぶ長崎街道を中心とした約230キロのうち約140キロを学生がリレーしながら歩いた。
 14日に長崎市に入り、同校1年の礒﨑麻希さん(18)、名川未来さん(18)、萩尾彩那さん(18)らが市永井隆記念館(上野町)などを訪問した。15日は長崎原爆資料館(平野町)、平和公園(松山町)を訪れ、最終地点の市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂に到着。同校の3人が、つないできた火を献灯した。「原爆資料館を見学し、今みたいに医療器具などが十分にない中、人がたくさん亡くなったと分かった」「人に優しい看護師になりたい」などと話した。
 中島教授は「小さな平和活動として、一歩一歩歩きながら考えてほしい。長崎街道のシュガーロードが平和ロードになれば」と語った。
 献灯の際、リレーに同行した北九州市立緑丘中吹奏学部の岩谷くるりさん(13)と真崎由衣さん(14)が平和への思いを込めてフルートで4曲を演奏した。

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