事故死者2倍近くに…「バイクの日」にプロテクター使用呼びかけ 着用で被害軽減、今年の死亡は1人のみ

プロテクター着用者限定のイベントに参加する二輪車のドライバーら=19日午前10時ごろ、埼玉県小鹿野町般若の「小鹿野バイクの森」

 多発する二輪車の交通死亡事故を防ごうと、埼玉県警は8月19日の「バイクの日」に、小鹿野町般若の「小鹿野バイクの森」でキャンペーンを行った。県警交通総務課や交通機動隊、小鹿野署員らが二輪運転手に啓発品を配付し、プロテクターの着用や、交通ルール遵守の徹底を呼びかけた。

 同課によると、7月末までの県内の二輪車乗用中の死者数は22人で、前年同期の12人と比べ2倍近く増えている。速度の出し過ぎでカーブを曲がり切れずに転倒するケースが目立っており、同課は「コロナ禍が落ち着き、バイクを久々に運転する人たちが増えていることが、死者数増加につながっているのではないか」と推測する。

 今年の二輪車乗用中死者のうち、全身を保護するプロテクターを着けていた運転手は1人のみ。死者の損傷部位は胸部が約48%、頭部が19%を占めていることから、県警は「ヘルメットとプロテクターを正しく着用することで、被害を軽減できる」と呼びかけている。

 キャンペーンでは、ストラップや反射材などが当たるカプセル玩具(ガチャガチャ)のイベントをプロテクター着用者限定で実施。熊谷市からバイク仲間と訪れた塚本理恵さんは「夏の暑さでプロテクターを着用しない人も多いが、自分の命を守るため、乗車時は必ず着けるようにしている」と話していた。

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