「全高校で2度の受験機会」県教委が素案提示 公立入試改善検討委

受験機会の複数化を図る素案について意見を交わした検討委員会=山形市・県自治会館

 県公立高入試の方法改善を検討する第3回検討委員会が23日、山形市の県自治会館で開かれ、県教育委員会が複数回受験する機会を設けることなどの素案を提示した。普通科を含む全高校で2度の受験機会を設ける内容で、最終報告案の作成に向けて今後も検討を重ねる。

 県教委は専門学科と総合学科の推薦入試を廃止し、代わりに、全高校で策定しているアドミッション・ポリシー(入学者の受け入れに関する方針)に基づいた入試を行う考え。2026年度入試の実施を想定し、検討委が昨年度から改善策を協議している。

 素案は、実技や作文、面接など各校独自の検査による選抜を前期(仮称)、従来の学力検査を後期(同)とする内容。募集人員については、前期は定員の5%以上50%以内(音楽科60%程度、体育科80%程度)で各校が設定し、後期は前期から差し引いた人数とする案を示した。

 この日は中学校長やPTA関係者、私立高校長らの委員9人が出席した。名称を前・後期とする場合、前期日程で学力検査が一般的な大学受験との混同によって、受験生や保護者らの混乱を懸念する意見が出た。募集人員については「(前期で)定員の50%は多すぎるのではないか」との声が上がった。県教委は各委員の意見を踏まえ、さらに検討を進める。

 今後は、教員らでつくる専門委員会でも意見を交わし、10月に開催予定の第4回検討委で最終報告案について協議する。

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