FRB議長「利上げ用意」 米経済指標次第で判断

米FRBのパウエル議長の講演を中継するテレビ画面=25日、ニューヨーク(ゲッティ=共同)

 【ジャクソンホール共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日午前(日本時間同日夜)の講演で「適切と判断すれば、さらに金利を引き上げる用意がある」と表明した。ただ、実際に金利を引き上げるかどうかは経済指標次第だとの立場を強調。過度な金融引き締めによる経済への悪影響にも配慮する考えを示した。

 FRBは7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合ぶりに0.25%の利上げを決めた。6月に公表した見通しに基づくと、年内にあと1回の利上げを見込む。ただ、金利は十分に高水準だとして利上げ停止を予想する金融関係者もいる。

 パウエル氏は、食品とエネルギーを除いた物価上昇率が低下傾向にあると指摘。ただ「目標に向かって物価上昇率が持続的に低下しているとまでは確信できない」とも強調した。

 経済成長率が想定を上回っているとし、堅調な経済がインフレにつながることを警戒。「想定以上に堅調な経済成長が続いている新たな証拠があれば、金融引き締めは正当化される」との考えを示した。

© 一般社団法人共同通信社