祝賀ムードに包まれLRT「発進」 宇都宮と芳賀結ぶ 沿線イベントに2万人

大勢の人が沿道で見守る中、特別列車の走行に合わせて行われたパレード=26日午前11時50分、宇都宮市東宿郷4丁目

 宇都宮市と芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線が26日開業し、営業運転を始めた。JR宇都宮駅東口周辺で開業式と発車式が行われ、公共交通の主軸となる歴史的事業の門出を祝った。路面電車の開業は国内で75年ぶり、全線新設のLRTは初めてとあって、沿線での歓迎イベントには約2万人(主催者発表)が詰めかけるなど、祝賀ムード一色となった。

 開業式は市の交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で行われ、両市町や運行会社「宇都宮ライトレール」、県、全国の交通事業者、地元企業などから約700人が出席。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「LRTは地域に活力や豊かさなど多くの恵みを与える役割を担う。最大限に活用し、50年先、100年先も持続的に発展できるまちづくりに全力で取り組む」、大関一雄(おおぜきかずお)町長は「持続可能な住みよいまちの実現に向け大きく前進する。LRTが末永く愛され、県全体の発展に寄与できることを祈念する」とあいさつした。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は「LRTは高齢者の外出機会の創出、カーボンニュートラルの推進に寄与する。本県の地域課題を解決するけん引役として期待する」と祝辞を述べた。

 続いて同線の起点となる同駅東口停留場で発車式を実施。関係者や子どもたちがテープカットを行い、特別列車の発車を祝った。

 午後3時に営業運転が始まり、同停留場からの一番列車には約120人が乗り込んだ。運行初日の乗車を求めて同停留場は夜になっても客足が絶えなかった。

 同線は、同駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロで、19の停留場を設置。684億円をかけ両市町が軌道などを整備し、宇都宮ライトレールが運行を担う。平日は朝4時台から深夜0時台まで、土日祝日は朝5時台から深夜11時台まで運転する。運賃は150~400円。

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