低質木材を累計1500トン出荷 間伐材活用で地域活性化 長崎・諫早市高来町

「木の駅たかき」事業の仕組み

 間伐された低質木材を有効活用し、売り上げを地域通貨で還元・流通させるプロジェクトとして長崎県諫早市高来町で取り組まれている「木の駅たかき」。間伐材出荷量はスタートした2016年度からの累計で1500トンを超え、関係者は手応えを口にしている。
 同町山林協議会を構成する湯江山林会など林業関係4団体と市商工会でつくる実行委が取り組むプロジェクト。長崎南部森林組合諫早支所や市、県県央振興局がアドバイザーとして支える。
 町内の山林で間伐されたスギ、ヒノキを集荷場(木の駅たかき)に出荷。木材チップ製造業者が買い取り、バイオマス燃料として活用する仕組みだ。間伐材を持ち込んだ対価として山林会などの会員らには地元の約30店舗で使える地域通貨「もり券」(1枚500円相当)が配布され、地域経済の活性化に貢献している。
 実行委によると、累計出荷量は5月に1500トン(買い取り金額約800万円)を達成。「もり券」発行枚数は昨年度末で1万5200枚(760万円相当)を超えた。
 プロジェクト開始まで間伐材は山に放置されてきたが、有効活用することで間伐時などの作業効率化、山林の環境改善にもつながっているという。
 実行委は20年度に達成し、コロナ禍で見合わせていた千トン出荷記念祝賀会を今月11日、町内で開催。関係者が事業推進への意欲を新たにした。実行委の原口栄一委員長(73)は「(アドバイザーの)森林組合や行政の支援もあって順調に出荷できている。次は2千トンを目指したい」と話した。

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