「性差別的な態度を完全に非難する」スペイン女子代表監督も選手にキスした会長を批判、「全く望ましくない雰囲気」と優勝が祝福されないと指摘

[写真:Getty Images]

スペイン女子代表のホルヘ・ビルダ監督が、スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長へを批判した。スペイン『アス』が伝えた。

【動画】不適切と批判を受ける会長から女子選手へのキス

ルビアレス会長は、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)の決勝後、スペイン女子代表FWジェニファー・エルモソの唇にキス。この行為が、世界中で大きな波紋を呼んでいた。

ルビアレス会長は自身の正当性を主張するも、世間の目は厳しく、スペイン政府や男女に関係ない選手、ファン・サポーターから痛烈な批判を受けていた。

国際サッカー連盟(FIFA)も懲戒手続きをスタートするとした翌日、臨時総会に登場した際にも自己弁護を繰り返し、エルモソが貶めていると主張。「合意の上だった」とキスの正当性を主張し、エルモソに対して可能な限りの法的措置を取るとしていた。

一方で、FIFAは26日にルビアレス会長の暫定的な職務停止処分を決定。90日間にわたる措置をとり、調査を継続していくとした。

この決定を受け、ビルダ氏は声明を発表。ルビアレス会長の行為とその後の発言を批判した。

「ルイス・ルビアレス会長のこれまでの不適切な行動により、スペイン女子サッカー界の優勝が損なわれたことを本当に遺憾に思う。彼自身もそれは認めていた」

「それが受け入れ難いものであることに疑いの余地はなく、私が人生、スポーツ全般、特にサッカーにおいて擁護する原則や価値観を全く反映していない。私は、先進社会とは程遠い性差別的な態度を完全に非難する」

「スペインのスポーツと女子スポーツを大いに祝うべきものとは程遠い、全く望ましくない雰囲気が生じている。そこでは私は、この声明の内容を現在のRFEF会長(ペドロ・ロシャ氏)と、これまで会長を務めていたルイス・ルビアレス氏に伝えた」

なお、この件を受けてスペイン女子代表のスタッフは辞任を申し出。また、スペイン女子代表チームは、W杯優勝メンバーを含む81名が会長が退かない限り代表活動に参加しない旨を発表している。

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