LRT「こんなに混むなんて」 開業2日目 、現金払い多くダイヤに乱れ

多くの人を乗せたLRTと乗降客でにぎわうベルモール近くの停留場周辺=27日午後4時30分、宇都宮市陽東5丁目

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線は27日、開業2日目を迎え、前日に続き県内外からの家族連れや鉄道ファンが数多く乗車した。混雑の影響でダイヤに約1時間の遅れが生じ、「こんなに混むなんてびっくり」と目を丸くする乗客も。宇都宮市、芳賀町と運行会社は各停留場の乗客誘導、増便による遅延対応、乗車待ちの体調不良者の対応など終日、フル回転で対処に当たった。

 初日だけの「開業日ダイヤ」の26日から、通常ダイヤでの運行が始まった27日。宇都宮駅東口停留場では午前6時の芳賀・高根沢工業団地停留場行き始発に乗ろうと、早朝から約100人が列を作った。

 運行会社宇都宮ライトレールによると、混雑の影響で、約12分間隔の運行が最大約40分間隔にまで広がった。運賃を現金払いする乗客が想定より多かったことが主な理由。遅延が長引くと乗車待ちの列がホームの外まで続く停留場もあった。増便で対応し夜にはほぼ本来の間隔となった。

 芳賀・高根沢工業団地停留場は日中、雨でレールがすっかり水に覆われる状態となったが、運行に影響はなかった。

 同社や同市消防本部などによると午後4時50分ごろ、清原地区市民センター前停留場下り線ホームで乗車待ちの20代女性が体調不良で倒れた。到着した車両が5~10分ほど停留場にとどまり、運転士らが対応。女性は家族に付き添われ停留場を離れたという。

 同停留場-宇都宮大学陽東キャンパス停留場間を往復した同市鐺山(こてやま)町、会社員高橋大(たかはしまさる)さん(35)は「息子が現金払いだったが、支払い方が分からず戸惑った。次は宇都宮駅東口まで行って食事や買い物を楽しみたい」。妻朱美(あけみ)さん(40)は「こんなに人が多いなんてびっくり。これだけにぎわうと遅れも仕方ないのかも」と話した。

 同社は「交通系ICカードを使うと乗降がスムーズになる」として「totra(トトラ)」などの活用を呼びかけている。

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